橋ができれば、島の移動は便利になる。ところが瀬戸内では、その便利さと引き換えに船が減りました。しまなみ海道が開通した1999年から27年。生活航路が姿を消した後、尾道と今治を結ぶ旅客船が、昔と同じ役割ではなく、自転車をそのまま載せられる観光交通として2026年秋に戻ります。
運航は10月3日から11月29日までの土日、計16日間です。全航路を1日乗り降りできる券は、自転車の積載を含め5,500円。端から端まで走り切ることだけを目標にせず、「向かい風の区間だけ船」「気になる島で下りて、次の便へ」という旅が選べます。
橋がつないだ島で、船は少なくなった
JR西日本は、しまなみ海道の開通後、尾道―今治間で生活航路の廃止や減便が進んだと説明しています。いま、その橋を自転車で楽しむ旅に、船を組み合わせる選択肢が戻ります。
船が担うのは、橋の代わりではありません。自転車で全部を走る人にも、島の滞在時間を増やしたい人にも、疲れた区間を短くしたい人にも、旅程を組み替える余白をつくります。便と乗船可能台数は日によって変わるため、当日の運航案内で確かめてください。
2026年は「一部だけ船」が使いやすくなった
2025年の実証から、2026年は伯方島へも寄港します。運航日が増え、必要な区間だけ乗る券と、連携レンタサイクル向けの自転車積載割引も加わりました。走りたい橋を残しながら、船へ替える区間を細かく選べます。
尾道から今治までの間では、向島を除く因島、生口島、大三島、伯方島、大島の5島へ寄港します。全部を船でつなぐより、自転車で走りたい橋や立ち寄りたい島を残し、体力を使いたくない区間を船へ置き換えると、この航路の役割が見えます。

| 旅の組み方 | 向いている使い方 | 出発前に見る項目 |
|---|---|---|
| 全航路1日乗り降り | 複数の島で下船し、船を旅の軸にする | 便数、最終便、満席時の代替 |
| 区間券 | 自転車を主役にし、疲れや向かい風を船で補う | 区間運賃、自転車積載、乗船港 |
| 自転車なし | 島の港をつなぐ小旅行として利用する | 下船後の徒歩・バス、滞在時間 |
所要時間や接続は日によって変わります。表を固定のモデルコースとして使わず、選んだ運航日の時刻表を重ねてください。
5,500円は「距離」より乗り降り回数で考える
全航路1日乗り降り券は5,500円で、自転車の積載料を含みます。小学生まで半額、幼児は無料です。区間券もあるため、1回だけ船へ逃がすなら、最初から一日券と決める必要はありません。
- 船を2回以上使って島へ下りるか。
- 自転車を載せる区間があるか。
- 天候で走行距離を短くしたときも、同じ券を使いたいか。
複数回の乗り降りを旅の中心にするなら一日券、走行の一部を補うなら区間券、という分け方です。連携レンタサイクルを使う場合、対象区間では通常の自転車積載料500円が割引になる条件があります。レンタサイクルの利用画面など、公式が指定する証明方法と対象区間を料金表で再確認してください。
運航日は16日、10月24日・25日は走らない
期間は2026年10月3日から11月29日までの土日ですが、10月24日と25日は運航しません。カレンダー上の週末なら必ず乗れるわけではない点が、最初の注意点です。
- 運航期間:2026年10月3日〜11月29日の土日、計16日
- 運休日:10月24日・25日
- 一日券:5,500円、自転車積載込み
- 子ども料金:小学生まで半額、幼児無料
- 購入:船内は現金・クレジットカード。事前購入用のサービス「tabiwa by WESTER」または「スマートEX」は登録条件あり
船内購入ができても、定員に達すれば希望便へ乗れない可能性があります。事前購入を選ぶ場合も、アプリや会員登録の準備を出発当日に回さない方が安心です。なお、強風や高波などで運航が変わる場合があります。これは瀬戸内の景色を楽しむ交通であると同時に、天候の影響を受ける船です。
尾道発か今治発かは、帰り道から決める
入口の町だけで決めると、最後の接続が苦しくなることがあります。尾道側で宿泊するのか、今治側へ抜けるのか、同じ日に出発地へ戻るのか。まず旅の終点と最終便を置き、それから船で短縮する区間を決める方が安全です。
自転車で長く走りたい人は、走りたい橋を先に残します。島で食事や散策に時間を使いたい人は、移動距離を船へ渡します。同行者と体力差があるなら、「全員が同じ距離を走る」より「港で合流できる区間」を探す方法もあります。船は完走できなかったときの敗者復活ではなく、島で使う時間を増やす道具です。
公式ページで最後に合わせる3点
保存した旅程を確定する前に、運航日と時刻、自転車の積載条件、購入できる券の3点を公式情報で合わせてください。とくに天候、定員、レンタサイクル利用を示す画面などの条件は当日の判断に関わります。
橋ができて減った船が、橋を楽しむ人のために戻る16日間。全部を走る旅と、船で島をつなぐ旅の間に、新しいしまなみの選択肢が生まれます。
一次情報:JR西日本ニュースリリース、実証運航の公式PDF、しまなみサイクル公式案内。運航内容は変更される場合があります。出発前に最新情報をご確認ください。

